猫なんかよんでもこない。

拾ってきた猫が著者に間接的に恩返しをする物語。

プロボクサーを目指す26歳の著者であったが、金もなく漫画家の兄のアパートに居候をしてトレーニングに励む毎日だった。

そんな中であるとき冬の寒い日に兄が子猫の兄妹を拾ってくる。

猫嫌いなプロボクサーを目指す著者と、二人の子猫の出会いが、ただの猫との関わりのみならず人生まで変えてしまう。

これはそんな著者の人生を元にした絵本です。

猫の世話を押しつけた兄

兄のアパートに居候する著者の元へ、ある時兄が二匹の子猫を拾ってくる。

てっきり兄が猫の世話をするかと思いきや、あっさりと著者に猫の世話を押しつける。もちろん無職で居候の身としては拒否権などないのだった。

猫の世話をしながらトレーニングに励む日々。そんな中であるとき兄はさっさと田舎へ帰ってしまう。

アパートに残されたのは著者と二匹の猫と少しばかりのお金のみでした。

邪魔だと想いながらも嫌々猫の世話をしながら、毎日トレーニングに励んで、ついにボクシングの試合に出て勝つところまでこぎ着けた。

しかし、そんな嬉しさとは裏腹に、試合には勝ったが怪我をしてプロボクサーとしての道は絶たれてしまうのでした。

怪我が元で生活もままならず、金もなく猫缶に醤油をかけて猫と一緒に御飯を食べるという極限まで生活は追い詰められていました。

自分はプロボクサーになる夢は絶たれたけど、次は飼い猫を近所の猫のボスにしようと、ささやかな夢を持つようになっていました。

猫たちが収入を与えてくれる

怪我をして苦しい生活を送りながら夢も絶たれた著者は、いつしか嫌いだった猫が心の支えとして都会の片隅で生きていくようになります。

ボクシングを止めてしまった男は、今度は漫画家になろうとボクシングの漫画を描いて出版社へ応募するようになります。

しかし何度漫画を描いて応募しても落選するばかり。

いつの間にか30歳を越えてしまい、周りからはヤメロという声ばかりが上がるようにもなります。

そんな状況なので、最後に半ばやけくそで描いた猫の漫画が、入賞どころか連載まで決まるという奇跡が起きたのでした。

猫は彼にとって支えになるばかりか、収入の支えにもなってくれたのでした。

この猫漫画は、1コマ1コマに猫への愛情をたっぷりそそいで描かれています。猫を飼っている人猫好きな人なら、きっとそうそう猫はこうだよねと共感できる部分も多いと思います。

著者は男性ですが、男性漫画家にしては珍しく猫が可愛くデフォルメされており、その容姿にもきっと愛情がわくでしょう。

猫嫌いだった著者が猫を好きになっていく過程も描かれており、猫を世話する苦労なども描かれているので、猫好きな人には共感でき是非ともおすすめの一冊です。